【塾長:河野より】志望校に合格する生徒、しない生徒

慶應アカデミー 塾長 河野誠男


志望校に合格する生徒、しない生徒


数年前から大学全入時代を迎え、大学の総定員数が受験者総数を上回った状況が続いています。

この状況は当面続くと思われ、受験生にとっては一つの安心材料・セーフティーガードとなっています。

しかし、本当に進学したい学部や大學(真の志望校)に合格できるかどうかは別問題です。

関学部、難関大学への壁は以前と変わっていません。

ではどんな生徒がそんな壁を乗り越え志望校に合格するのでしょうか。

高校1年入学時にトップクラスで入学した生徒が必ずしも志望校に合格できるわけでもなく、入学時にはあまりパッとしなかった生徒が卒業時に大化けをして難関大学に合格することもあります。

トップで高校へ入学した生徒がトップで卒業できていないという事実を考えた場合、大学入試においての成功の可否は学力だけではありません。



―人生で何が成し遂げられるかは、「生まれ持った才能」よりも「情熱」と最後までやりぬくという「粘り強さ」によって決まる可能性が強い。―

これはアメリカのノーベル賞・天才賞とも言われる、マッカーサー賞を取ったアメリペンシルベニア大学の心理学教授アンジェラ・ダックワース女史の研究成果です。

同教授は、人々がそれぞれの分野で成功し、偉業を成し遂げるには、「才能」よりも「グリット」が重要であると科学的に突き止めました。

「グリット」すなわち「やり抜く力」とは、「情熱」と「粘り強さ」の二つの要素からなる。

「情熱」とは、自分の最も重要な目標に対して興味を持ち続け、ひたむきに取り組むこと。

「粘り強さ」とは、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力を続けることです。



●難関志望校現役合格の3つのステップ
 では難関志望校に合格できるのはどのような生徒でしょうか。
 それは以下の3点に尽きると思います。

・1st Step.志望校・学部を決定する
 ※将来の職業のイメージを基に志望学部・大学を決めること。その際に、現状の学力評価から志望校を決めるのではなく、少し高めの志望校設定をする。
 ※The sooner, the better.


・2nd Step目標達成に向けての方針・計画を立てる
 ※毎日学習すべき教科、週末や長期休みを使ってのまとめ学習可能な教科、それぞれの強化の特性に応じて計画すること。
 ※1年次には国語、特に現代文を、2年次の理系は物理化学の基礎固めを、文系は地歴または古文漢文の基礎固めをすること


・3rd Step目標達成に向けて粘り強く努力をする
 ※模試は自身のその時点までの弱点チェックであると考え、成績良くても悪くてもそれに一喜一憂することなく平常心をもって日々の学習を続けること。
 ※志望校を掲示し、周りの人に周知してもらう。人は自分の言ったことに縛られます。